家づくり豆知識2021年11月15日【家 相談 どこ?】おうちのどこにお金をかけたらいいの?

皆さんこんにちは
今回は
『おうちのどこにお金をかけたらいいの?』ということについてお話していきます。

突然ですが、想像してみてください。
皆さんはとある事情で、オーダージャケットとシャツ(ブラウス)を作ることになりました。
すべての素材を選ぶことが出来て、金額はお小遣いで払える範囲で考えます。

どのようなカスタマイズを考えますか?
①デザインにこだわりお金をかける
②ボタンなどの小物にこだわりお金をかける
③長く持つようなデザインと生地、縫製などにこだわりお金をかける

皆さんは①~③でどれを選びますか?

実はこれっておうちにも言い換えることが出来て、自分がどういう風にお金をかけたいかというところにつながることになるかもしれません
知識が不足していると、その欲望のままにおうちに対してお金をかけてしまうことでしょう。

まずは
①にこだわる人は、自分をどうしたらよく見せることが出来るか、人からどう見られるかを気にしている方です。
人がたくさん訪れるおうちを考えているなら、余裕がある分はもちろんデザインにお金をかけてもいいでしょう。
しかし、デザインを優先しすぎてしまうと、リフォームが将来しずらくなったり、住みづらくなってしまうことが出てくるかもしれません。
今を優先しすぎて、老後に大変な思いはしたくないですよね。おうちを考えるなら、一歩立ち止まって考えてみましょう。

②にこだわる人は、住宅設備(キッチン・お風呂・トイレ)などにこだわる傾向が強いようです。
こだわりとして、考え方も2種類に分かれると思います。見栄えなのか、機能性などか、どちらを優先するかによって変わります。
見栄えにこだわる方は①のケースに近いです。住宅設備の耐久性は15年くらいといわれています。見栄えの豪華さで選ぶと、15年後、交換をするとなったときに
安いものと入れ替えると、おうちそのもののデザインバランスが崩れてしまうでしょう。一度上げたグレードは落とすことがなかなかできません。
それとは反対に機能性にこだわる場合はどうでしょうか?生活を便利にしてくれる機能は自分の時間を増やしてくれます。
ただ、身の丈に合わないような金額を出すと15年の期間と使う頻度で考えたときどうでしょうか?
身の丈に合うくらいの設備導入に抑えておいた方が、より良い生活につながるでしょう。

③にこだわる人はとても堅実な方で、先のことを見通すことのできる方です。
おうちに置き換えると、建物の本体にお金をかけるということになります。
長持ちさせることが大切、ものを大切に扱うことがお金の節約につながることを知っています。
おうちを買っても安定して生活していくことが出来るでしょう。

この様におうちのどこにお金をかけたらいいかというと、結論は『本体にお金をかける』ということです。

本体にお金をかけることで耐久性が上がり、メンテナンスのサイクルが長くなります。
そして、おうち全体の性能が上がることになり、光熱費などを抑えることが出来ます。
ライフサイクルコスト(LCC)という考え方があり、住宅の場合,建設から解体に至るまでの総費用(生涯費用)を示すものです。
目に見えている価格を優先しすぎて、そのあとにかかってくる価格が大きくなってしまうと
長い目でみた場合に支払うトータルコストが多くなってしまうということです。
おうちは買って終わりではなく、買ってからがスタートという事を覚えておきましょう。

住み始めてからかかるお金をランニングコストといいますが、
住宅ローンは必ず終わりを迎えます。
しかし、生活するのにかかる支払いは終わりません。
固定資産税
光熱費
修繕用の積み立て費用
などがかかり続けることを考えましょう。

固定資産税は何度も取り上げた通り、土地の価値に大きく左右されます。
人気のエリア、便利なエリアになると固定資産税は当然の如く高額になります。

光熱費はおうちの性能が悪い場合や過剰な設備をつけた場合も高額になります。
寒い、熱いでエアコンがフル稼働してしまうと、トータルで考えれば
一時的にお金のかかるおうち本体の性能を上げた方がいいということになりませんか?
冬しか使わない床暖房など、今までなかったものを増やすとその分お金がかかることになります。
床暖房の最大のデメリットは壊れてしまった場合、とてもお金がかかるということです。
まず、チェックをする際に床をはがす必要があり、貼りなおすのにお金がかかります。
すなわち、チェックする=交換するという事になるのです。
そのコストだけで考えると、一度壊れたら、二度と使わなくなると思いませんか?
せっかくだからという考え方は危険です。人は水準を一度上げてしまうと落とすことが難しくなります。
本体以外の性能を上げすぎると、たちまち無駄にお金のかかるおうちに早変わりです。
気を付けたいポイントですね。

最後に修繕の積み立て費用についても考えてみましょう。
本体にお金をかけずにメンテナンスのサイクルが短いと、都度お金がかかります。
月に2万円ほど積み立てる必要があるということになります。
本体にお金をかければ、月7千円くらいで住む場合もあります。
例えば月2万円を積み立てて、必要なメンテナンスにあまりお金がかからなかった場合、
残ったお金で旅行をしたり、ご褒美のためのお金として使えたらどうでしょうか?
積み立てるのも楽しみになるのではないでしょうか?

いかがですか?

お金が湯水のように使える方には関係のない話かもしれませんが
収入と支出には限りがある方がほとんどで、生涯年収のうちの可処分所得をどう使うかがとても大切です。

おうちを検討してい方は是非③の考え方を大切にしてもらえるといいと思います。